人気ブログランキング | 話題のタグを見る

逆従属人口比率が示す国家の行方

逆従属人口比率が示す国家の行方_e0362571_00314183.png
社会全体で見た場合、一人の被扶養者が何人の働き手によって養われるかという指標を逆従属人口比率という。算式にすると、非生産年齢人口➗生産年齢人口である。いま日本では老齢化の進展でこの指標が著しく低下し、92年のピーク時(2.31)から直近は1.48に低下している。これは一人の被扶養者を1.5人で支えている状態であり、2030年にはその比率が1.35にまで低下する。もはや日本は成長戦略どころではないのである。

興味深いのは、この指標のピークが92年だったことで、これはバブル崩壊の時期と一致する。つまり人口動態は、80年代後半のバブル相場とその後の崩壊を予見していたことになる。またスペインの住宅バブル崩壊や米国のリーマン危機もやはり、逆従属人口比率のピーク前後に起きているのだ。

そのことは改めて書くとして、今回はグラフの左端をご覧いただきたい。そう、戦前の逆従属人口比率はいまと同じ水準なのだ。但し、その理由は今と正反対で、子供が多すぎたので国家運営に支障を来したのである。だから戦前の政府は、代わりはいくらでもいるとばかり人命を軽視し、すぐに戦争で解決しようとしたのだろう。ひょっとして、戦争による人減らしは重要な国策だったのかもしれないのだ。

翻って今の日本で余っているのは筆者のようなロートル世代だ。年寄りは戦争には役立たずだから戦争はないだろう。ならば、消費税を上げて兵糧攻めにする?



by shigg816 | 2018-09-27 00:38 | 金融経済

各種統計から独自の切り口でグラフを作成し、経済の先行きを考えるヒントを探ります。


by shigg816
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31