債務を28兆ドルも増やした中国 vs 全く増やしていない日本

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BISの統計によると、リーマン危機以降の9年間で、世界の債務総額(政府、家計、事業会社の合計)は67兆ドルも増えて、184兆ドルになった。といっても、その大きさは理解不能だろう。長期金利が1%上昇すると、世界全体の利払い負担額は1.8兆ドル=200兆円も増える言った方がわかりやすいだろう。そして世界の長期金利のベンチマークである米10年債の利回りは、この1年で1%上昇しているのである。

そうなると借入が多い国ほど大変な訳で、その筆頭は中国である。この9年間の債務増加額は28.5兆ドルで、世界全体の借金の4割が中国によるものだった。今のように金利が上昇すると打撃も大きく、筆者の試算では、今年9月末時点の民間部門(家計と事業会社)利払い額は名目GDPの7.9%にも達している。ちなみに、ITバブル崩壊とリーマン危機の直前に、米民間部門の利払い額はGDPの8.1%だったので、今後の金利上昇次第では中国が次の金融危機の発火点になる可能性がある。

これに対し、日本は債務が全く増えておらず、金利が上がっても影響は少ない。ただ、上図はドル建てで対比したものなので、円安が進行すると債務が少なく見えてしまう。そこで円建ての部門別の債務グラフも作成してみた(下図)。

ここで注目は、事業会社、家計とも、97年の金融危機以降は大幅に債務を圧縮していることで、その金額は262兆円にのぼる。これでは需要が不足し経済がパンクするというので、政府が649兆円もの債務を拡大したのである。しかし国全体としてみれば、ほとんど債務が増えていないのは上図が示す通りだ。

この数年、日本企業では経常利益が大変大きく膨らんで、税引後利益から配当を差し引いた内部留保は累計で460兆円もある。普通に考えれば、来るべき株価のクラッシュ後は全世界から日本企業の優位性が注目されると思うのだが、果たしてどうなるか。


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by shigg816 | 2018-10-08 00:01 | 金融経済 | Comments(0)

各種統計から独自の切り口でグラフを作成し、経済の先行きを考えるヒントを探ります。


by shigg816
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