米財政赤字は先行きのドル安を示唆

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為替を決めるのは二国間の金利差のみならず、対外純資産、人口動態といった様々な要素が関係する。それも平時ならば金利差が重視されるが、今のように金融市場が揺らぎ始めると、内外両サイドの海外証券の売却が為替に影響を与える。

筆者が一番印象に残っているのは、87年ブラックマンデーの際、最初の数日間は円安になったが、その後は怒涛の円高になったことだ。これは資金繰りに窮した海外の投資家が、日本株を投げ売りして得た円資金をドルに替えて本国に送金、そのため一時的にドル需要が殺到したからだ。

その後は米国経済の悪化懸念から長短金利が急低下したことや、日本の投資家がそれまで大損していた外債にやれやれの売りを入れたことなどで円高が進行し、日本株の下落は87年末まで止まらなかった。いま思えば、日本株はストップ安制度があるので、米国株のように一気に悪材料を織込むのではなく、時間をかけてじわじわと下げた面もあるのだろう。

話が横に逸れてしまった。それで今日のグラフだが、過去は米財政赤字の拡大が1〜2年遅れてドル安に作用することを示している。昨年はトランプのインフラ、国防投資の増額や各種減税が景気にプラスに働き、GDP伸び率は上昇、株価も9月まで高かった。

今年はそうした景気刺激策の効果は薄れ、財政赤字拡大に伴うマイナス面が表面化し、ドル安が懸念されるようになろう。カギを握るのは財政赤字の程度だが、(これまで増加していた)所得税の伸びが株安で止まったと報じられるや否や、ドル安が始まるだろう。それを防ぐためにも必死で株価を支える必要があるのだ。


by shigg816 | 2019-01-06 20:56 | 金融経済 | Comments(0)

各種統計から独自の切り口でグラフを作成し、経済の先行きを考えるヒントを探ります。


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