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中国の社会融資総量が激増

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中国株が急騰している。年初からの上昇率はナスダックを上回るほどで、昨年秋の株価不振はウソのようだ。そのおかげで中国経済と関係が深いアジア株は軒並み上昇し、日本株も22000円台が見えて来た。

これは米中貿易戦争が一応の収束をみせて、月末にも習主席とトランプが会って握手するという読みに基づく・・・とマスコミは言うだろう。筆者もそれは否定しないが、もっと大きな理由は、中国当局がこれまでのノンバンク融資の抑制策をやめて、今年1月に無茶苦茶、貸出を増やしたからだ。

上図は中国人民銀行のデータをもとに作成したもので、社会融資総量(銀行貸出とノンバンク貸出の合計、フローベース)が1月に急増して、過去最高となった様子がわかる。そして従来は、社会融資総量の増加に少し遅れて非鉄相場も上昇している。だとすると、これから住友鉱山や大平洋金属の株価も上がる可能性がある。

だが今回、その貸出の多くは、いわゆる追い貸しに使われたのでないか。日本だってバブル崩壊後の93年までは銀行貸出が増加していたのだ。そもそも、中国の自動車販売台数が27年ぶりに前年を下回ったことが示すように、所得が伸びない中、家計は住宅や自動車を買う余裕がないのである。だから、在庫を抱え資金繰りに窮した企業向けの融資が伸びているのだろう。

しかし、中国が無茶をしてくれたおかげで、世界の株式市場は数ヶ月間の猶予を与えられた。今月中旬にはさすがに上昇が一服するだろうが、そこを買って初夏のピークを待とうと思う。





by shigg816 | 2019-03-04 21:46 | 金融経済

各種統計から独自の切り口でグラフを作成し、経済の先行きを考えるヒントを探ります。


by shigg816
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