中国の今はバブル崩壊後の日本
2019年 03月 27日
中国の自動車生産能力は年間5100万台あるが、実際の生産台数は2600万台に過ぎない。2月27日のNYタイムズの報道だ。これでは100社以上もある自動車メーカーの淘汰は必至だ。過剰生産能力の裏側には過剰な債務がある以上、金融機関も膨大な不良債権を抱えているだろう。
そもそも、中国の経済発展は多額の債務を梃子に成し遂げられたものだ。2011年からの7年間で名目国内総生産(GDP)は6.3兆ドル(700兆円)増加した。だが、その間に民間債務(企業+家計)は17兆ドル(1900兆円)も増加したので、債務比率(民間債務総額÷名目GDP)は150%から204%に急拡大している。
だが、そんなハイペースで借入れを続けることは出来ない。最大の隘路は人口動態の変化だ。中国の生産年齢(15歳~64歳)人口は13年のピークから700万人も縮小、その一方で65歳以上人口は着実に増加している。働き手が減少する中でGDP成長を維持することは難しい。
注目は、その債務比率や65歳以上人口の推移がバブル崩壊前後の日本と瓜二つなこと(図1,2)。中国は30年前のわが国と同じ難局に直面しているのだ。だが大きく異なるのは、中国バブルが崩壊する時は世界中が共倒れになることだろう。