人気ブログランキング | 話題のタグを見る

講演会で用いたグラフの解説 その10

講演会で用いたグラフの解説 その10_e0362571_11215951.png
講演会で用いたグラフ解説 その10
株価の天敵は米国金利の上昇である。その金利だが、1981年をピークに、もう38年も低下基調が続いてきた。ということは、いま現役で働いている社会人のほとんどは金利上昇時の怖さを知らないのである。

かく言う筆者は1981年に信託銀行に入社したが、当時の信託銀行が販売する満期5年の変動商品の利回りは9.63%もあった。ご苦労さんというので覚え易かったが、こんな高い金利では貸出先がなくて、筆者の仕事も融資先の新規開拓から始まった次第だ。

そんな余談はともかく、38年も金利が下がると、それが当たり前になってしまう。しかし、いつかは金利が上がるものだ。過去を振り返ると、金利のトップとトップは60年周期だということがわかる(上図)。コンドラチェフサイクル、十干十二支はいずれも60年周期であり、昔の人はそれがわかっていたのだろう。ちなみに麻雀も大三元という技は、上元、中元、下元という3つの60年サイクルが一回りして(180年)、めでたいから役満なのだ。

また脱線してしまって申し訳ない。それで問題は、ボトムとボトムの周期がバラバラということだ。だから、いつ金利が底入れするかはわからない。しかし、1861年から1899年にかけての金利低下局面は38年間だったことを思うと、もういつ金利が反転してもおかしくないことがお判り頂けよう。

上図では金利の上値抵抗線とおぼしきラインを描いているが、その水準(3.3
%程度)を上抜けするなら、この38年間の金利低下局面は終焉を迎えたということになろう。その時は政治経済の全てが一変するパラダイムシフトとなるだろう。なぜならば、この38年間は低金利の持続を前提に借金を積み重ね、それが世界経済発展の原動力となってきたからだ。早ければ、今年の秋にも金利が上昇し、低金利時代の終焉が始まるように思う。




by shigg816 | 2019-05-29 00:01 | 金融経済

各種統計から独自の切り口でグラフを作成し、経済の先行きを考えるヒントを探ります。


by shigg816
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31