スリムになった日本企業の財務体質 「グラフの声を聞く」8回目 2019/1/15
2019年 07月 22日
この危うい会社の資金繰りを支えるのは「レバレッジドローン」(高債務企業向けの貸し出し)だ。英中銀などはサブプライム(信用力の低い個人向け)ローンと同様の危険性を警告する。この貸出残高は、世界全体で1・6兆㌦(約180兆円)との試算もある。米事業会社の「債務比率」も戦後最高である。
そんな借金漬けの欧米企業とは対照的なのが日本の事業会社だ。90年のバブル崩壊後、債務返済にまい進したことで財務体質は改善し、ゾンビ企業の割合も2%にとどまる(図2)。今後、金利が上がり続けるならば、欧米型のレバレッジ経営は否定され、スリムな日本企業に世界の投資家の注目が集まるだろう。
こんな動きをされるのでは、短期的なチャート分析もファンダメンタル分析も役に立たない。AIは皆が強気なのか、弱気なのかを見定めて、最近のように、弱気が多数派を占めるようなら、一旦、思い切り下に振って、踏み上げというパターンを得意としているのようだ。だから、ここは売りたくなるのをジッと堪えて、買いもちのまま、裁定残が1兆円台に回復するのを待つべきだろう。