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米所得格差と新興国の成長は連動 「グラフの声を聞く」14回目 2019/2/26

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米民主党のE・ウォーレン上院議員が、一定以上の資産保有者に対する課税を提案し、注目を集めている。次期大統領選に出馬を表明する有力議員が、富裕層の税金は低すぎるとして、その税収を中産階級の立て直しに使うと言うのだ。

その主張の背景には、米国の所得格差の急拡大がある。1970年以降、上位1%層の実質所得は3倍に増加したが、下位50%層の所得はむしろ減少している(図1)。このため、上位1%層と下位50%層の所得格差は70年の34倍から、2014年には105倍に拡大した。

この間、企業の労働生産性は2・3倍に増加しているが、その果実は下位50%を占める労働者層に還元されることはなかった。労働生産性と労賃の差額は企業収益となるので、それを反映した株価は長期に亘り上昇する。企業経営者など上位1%層の所得と株価が連動してきたのはこのためだ。

新興国の経済規模拡大と米国内の所得格差が連動していることも興味深い(図2)。これは海外への工場移転で潤ったのが上位1%層と新興国、割を食ったのが下位50%層だったことを物語る。ウォーレン議員の主張に経済界は猛反発するが、この動きが次期大統領選でどう浮上してくるか興味深い。

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★今年6月、「暴力と不平等の人類史」という600ページ近い本が翻訳、出版された。早速、図書館で借りて読んだのだが、そのポイントは、所得格差は古来、戦争、革命、国家崩壊、疫病の4つで解消されてきたというもので、古今東西の様々な事例が紹介されている。中でも太平洋戦争前後の日本の事例が詳述されており参考になる。


平たく言えば、所得格差が極端な段階に至ると、先の4つのような災厄が起きて、富裕層ほど財産を失うというのだ。だとすると、私が主張する2020年からの「世界的幕末」も決して荒唐無稽とは言えないことがお分かり頂けよう。


もちろん、為政者はそんな経済危機が起きないよう努力するのだが、それがかえって来たるべき崩落のエネルギーを肥大化させている側面もある。各種相場は来たるべき危機のセンサーである。


じゃあ、どうしたら良いのかと思われるかもしれない。それは誰にもわからない以上、今日一日を精一杯生きると言うしかない。お坊さんの説話みたいだけど。。。




by shigg816 | 2019-08-10 09:47 | 金融経済 | Comments(0)

各種統計から独自の切り口でグラフを作成し、経済の先行きを考えるヒントを探ります。


by shigg816
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